地震がおこってから、被災者のメンタル症にどう対応していくのか?
こちらは、まだ確立された方法はありません。医師が対応するのか?はてまた、臨床心理士?或いは産業カウンセラー?とガイドラインがありません。
マニュアルがないので、実はまだ誰も被災者のストレスケアに対応できていないのが現状です。
この震災後のストレスケアを施していくことができるのが、ストレスセラピストです。
通常破局的な性質を持ったストレス性の出来事に遭遇した人は、通常2タイプのストレス障害を起こします。
破局的な性質を持ったストレス性の出来事とは
自然災害
激しい事故
戦闘
他人の変死の目撃
あるいは拷問
テロリズム
性犯罪や犯罪の犠牲になること
愛する人の突然の死や離別
小児期による無視や虐待
ストレス性の出来事の後に起る2つのストレス障害
- 急性ストレス障害
- 心的外傷後ストレス障害
このうち一番気をつけなくてはならないのが、心的外傷後ストレス障害(PTSD)です。
急性ストレス障害は通常、そのままにしておいても、時間と共に癒えるのです。
しかし、ストレス障害の為の施術を施したほうが、早くもとの状態に戻ります。
時間がたっても癒えないのが、心的外傷後ストレス障害(PTSD)です。
東北震災に5年間の活動から、私は震災後のPTSDについて数々の教訓を得ました。
心的外傷後ストレス障害(PTSD)とは
命に関わるような強いショックをうけたあと、一定の潜伏期間をすぎて発症する精神的症状
- 恐怖、無力感、他者からの孤立
- 心的外傷関連の刺激の回避や麻痺
- 反復的かつ侵入的、苦痛であるフラッシュバック
心的外傷後ストレス障害になりやすい職業
電車の運転手
消防士
警察官
自衛隊員
医師
看護師
救急救命士
命の現場に関わる職業の方のリスクは通常の方の2倍以上です。
最近では、電車の人身事故により、電車運転手がPTSDを煩い、仕事が続けられなくなるといった事例が社会問題化しています。
地震や津波の被害を受けた方のPTSDを適切に処理ぜずに放っておくと、これが引き金となり、引きこもりやうつ病、自殺へと進んでいきます。
最初が肝心です。できるだけ早い時期に現地に入り、ひとりひとりのカウンセリングを行うしかないのです。カウンセリングは整体やリフレなどの施術をしながら、コミュニケーションの延長で、気付かれないようにそっと行います。
ストレスセラピストだから出来ること
まずは災害時の様子を聞きだします。そして、その時の恐怖の感情がこみ上げてくる被災者は要注意です。
その感情が出ているときがトラウマ処理の最大のチャンスです。
ここで私は、仰向けのまま出来るPTSD解除の技法を施します。患者さんは整体の一環だと思いますが、心に恐怖の感情が出てこなくなるまで淡々と施術します。
被災者は潜在意識下に恐怖の体験を溜め込んでいますので、丁寧にカウンセリングして原因があれば、解除していく施術が被災地でのメンタルケアで1番重要です。
まとめると、まず整体施術で体に触れ安心感を作ってから、同時にストレスカウンセリングを施し、恐怖の体験時の感情が蘇るかをチェックして、あれば1つ1つ技法を使って解除していくという総合的施術がストレスセラピストの被災地での重要なお仕事です。
これで、後々のうつ病やPTSD、引きこもりや自殺念慮が防げます。
PTSDの芽はそっと摘む
PTSDは発症する前に、あるいは早い時期に解除しておくことが重要です。それは、徐々に患者様の心を蝕み、うつ病やひきこもりや自殺にまで発展していく事があるということを、私は5年間の東北震災ボランティアでたくさん経験しました。
お医者や臨床心理士やカウンセラーさんでは、なかなか出来ない施術ですので、私はこのストレス解除を被災地で淡々とこなしています。勿論無償です。
被災者さんには、何をやったかは伝えないので、まったく感謝されることは無いのですが、PTSDの芽を早い時期にそっと摘んでおくことが、私の密かな楽しみとなっています。